導入事例01|音響特機 本社オフィス

Cambridge サウンドマスキングシステム Qt X 600 導入 - 音響特機本社オフィス
話しやすく、働きやすい。新オフィスで叶えた快適空間
導入システム:Biamp Cambridge サウンドマスキングシステム
オフィスのフロア移転を機に、スピーチプライバシーの向上と快適な音環境の実現を目指してサウンドマスキングシステム「Qt X 600」を導入。各エリアに最適なサウンドマスキングを設定し、プライバシー保護や集中力向上を図った。導入後は社員の働きやすさが向上し、均一な音環境が高く評価された。
――導入を決めたきっかけは?
システム設計担当社員 M (以下 M):オフィス移転のタイミングだったので、普段お客様に提案している製品を導入したいと考えました。やはり効果を知っていると、お客様へ案内しやすいので。
販売推進部長 K(以下K):そうですね。もちろん製品を理解する目的でもありましたが、うちは商社ですので、入電が多い一方で静かに作業をする社員もいます。するとやはり電話の声が目立ってしまい、電話をとる側は緊張するし、周囲の社員はストレスになる。長年、こうした課題がありました。
M:新しいオフィスでは、エントランスと会議室が隣接していることも懸念でしたね。お客様が出入りする場所と、重要な会議を行う部屋がすぐそばなので、プライバシーを守る必要がありました。

音響特機本社オフィスの実際のレイアウト図
――導入したソリューションは?
M:社員の集まるエリア、廊下、エントランス、作業室など、様々なエリアにマスキング音をかける必要があったため、ゾーン(マスキング音をかけるエリア)を最も多く設定できる Qt X 600 を導入しました。ゾーンを分けると、それぞれのゾーンで個別に電源の ON / OFF や、EQ の調整、音量の調整などが行えます。

Qt X 600 ジェネレーターはラックにマウントして使用(壁付も可能)
K:例えばエントランスではプライバシーが最重要視されるので、独立したゾーンを作って他のエリアよりもやや大きめの音量を流しています。一方で社員が集まるオフィスエリアでは、Biamp のガイドラインに従って推奨されている音量で統一しています。
M:こうしたゾーンごとの調整には専用の Web UI が準備されています。この Web UI は、ジェネレーターと PC を LAN で接続し、IP アドレスを入力すれば誰でも触ることができます。


Web UI の実際の画面。全て英語だが、ブラウザで開くため機械翻訳をかけることも可能。
K:実は、サウンドマスキングのエミッターから音楽を流すこともできます。弊社では BGM 用の別のスピーカーを使用していますが、エミッターからでも音楽を流すこと自体はできるんです。
M:ただ、周波数特性が 大体 200 Hz - 6.3 kHz のため、迫力のある音を出すのは難しい。やはり低域に物足りなさがあるので、しっかり音を出したいというクライアントには、天井付けサブウーファーの併用をおすすめしています。
――導入後の効果は?
K:社員からは「仕事がしやすくなった」との声が多く聞かれますね。実際に私も効果を実感しています。周囲の話し声が気にならなくなり、非常に快適です。確かにマスキング音は聞こえているのですが、意識しなければ自然に溶け込んで気になりません。
M:こだわって設計した甲斐あって、非常に均一な音が実現できたと思います。オフィスの中を歩き回っても全く違和感がありません。
K:弊社では、朝礼の終わるタイミングに合わせてサウンドマスキングが自動的にスタートするよう設計しています。朝礼が設定のタイミングより早く終わったときには、オフィスの静寂に少しソワソワしてしまうことも。
M:普段は意識しないと聞こえない音なのですが、このときばかりは恩恵を実感します。

(左)Inter BEEに出展した際の画像。(右)オフィスの天井に埋め込み設置したエミッター。
――システム設計で難しかった点は?
M:やはり音が均一に流れるように設計するのが一番の課題でした。サウンドマスキングは ジェネレーター(マスキング音を発生させる装置)と エミッター(マスキング音を流すスピーカー)で構成されています。エミッター は4台のセット売りで、ジェネレーターとLANケーブルでデイジーチェーン接続して使用します。最大60台までエミッターをカスケード接続することができます。
K:この時、隣接するエミッターから全く同じ音が流れると、干渉により音への影響が出る場合があります。そのため、カスケード接続すると、繋いだ順に自動的に A、B、C、D と識別され、それぞれ 90° ずつ位相をずらした音が流れるようになっています。この順番は変更できないので、広い天井に A、B、C、D が隣接しないように設計する必要があります。
M:これだ!と思った設計を工事業者に伝えると「天井の構造的に難しい」と言われ、設計を練り直すこともありました。この工程にはかなり時間をかけましたね。

実際の設計図。A、B、C、D が隣接しないように設計されている。
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