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EAW ADAPTive Systems ラインアレイを超えた次世代スピーカーシステム anya

EAW Anya

EAWの新たなフラッグシップモデル「Anya」は、従来のラインアレイシステムを超える、次世代のスピーカーシステムです。EAWテクノロジーの集大成である「Adaptive Performance」により、「Anya」はストレートに組まれたアレイの状態で自在に放射パターンをコントロールする事が出来ます。不要な反射音を抑制し、必要なカバーエリアに限りなく均一な音圧と音質を提供します。
会場の大きさや形状に関係なく、最適なサービスを可能とする究極のスピーカーシステムです。

自在なパターン制御を実現するハードウェア

1台の「Anya」には合計22本ものトランスデューサーが搭載されています。そしてそれぞれが独立したパワーアンプとDSPにより駆動されます。
「EAW Resolution2」ソフトウェアによって定義された条件にしたがって全てのトランスデューサーが個々にコントロールされ、要求された条件に最適な波面を形成します。

従来のラインアレイでは不可能だった水平方向のパターン制御を実現

従来のラインアレイでは垂直方向の放射角度はアレイを構成するモジュール間の角度でコントロールし、水平方向はホーンの指向角で決定されます。よって水平方向に放射角度を拡張する場合は、別のアレイを横に追加するしか方法はありません。
しかし一列のアレイがいくら優れた特性を持っていても、アレイ同士の干渉は避けられません。「Anya」のアレイはストレートなので、ポイントソースと同様に水平方向にキャビネットを組み合わせる事が出来ます。よって水平方向にも干渉なしに放射角度を拡張することが出来ます。これはラインアレイとポイントソースの長所を併せ持った特徴と言えます。実際には単体の「Anya」の水平方向の放射角は70度で、10度オーバーラップさせて2列では120度、3列では180度という特性になります。

シンプルで安全なリギングシステム

「Anya」のアレイはストレートですので、単純に連結していくだけの非常にシンプルなリギングシステムとなっています。本体の両端に装備された、金具の出し入れとロックの2種類のレバーを操作するだけです。この機構により、最大18本まで素早く安全に吊り上げることが可能です。
また、本体各所に装備された赤外線センサーにより、個々の「Anya」モジュールは自分が”どの列の””何本目に”配置されているかを自己判断し、ソフトウェアに出力します。
更に角度計も内蔵していますので、アレイがどの方向に何度傾いているかをソフトウェア上でモニターすることが可能です。

Adaptiveサブウーファー「Otto」

「Otto」は「Anya」と対になる、世界初のAdaptiveサブウーファーシステムです。独立したパワーアンプとDSPで駆動される18インチウーファーをキャビネットの前後に搭載し、「Anya」の低域を22Hzまで拡張します。「Otto」は単体でも通常のオムニパターン以外にカーディオイド、ハイパーカーディオイドといった放射パターンを選択でき、複数の「Otto」でアレイを組むことにより、サブウーファー帯域でのビームフォーミングが可能です。縦方向に組み合わせてフライング、横方向にグランドスタック等、様々なセッティングに対応し、サブウーファーとしてほぼ無限大の選択肢をユーザーに提供します。

「Dante」ネットワークによるコントロールと音声伝送

「Anya」は業界標準になりつつある「Dante」ネットワークによりオーディオ信号と制御データを伝送します。
「EAW Resolution2」ソフトウェアにより、「Anya」の各パラメーターの制御、内蔵パワーアンプ、トランスデューサーの動作の監視が可能です。入力信号はDanteの他にAES3、アナログにも対応します。Danteネットワークを二重化することによりリダンダントシステムを構築でき、不意なトラブルにも音を止めることはありません。

徹底された自己監視機能とトラブル対策

「Anya」は「EAW Resolution2」ソフトウェアにより、ネットワーク経由で動作状況を詳細に管理されます。
管理される項目は次のように多岐にわたります。

  • 本体の傾き
  • 1台につきLF×2、MF×6、HF×14のパワーアンプの出力レベル
  • 各パワーアンプの温度
  • 各スピーカーユニットのインピーダンス
  • 総合的な動作のログ

動作中に異常が検知された場合、そのモジュールを排除した状態で放射パターンを再計算、再構築する機能も搭載しています。その機能の動作条件を自動にするか、オペレーターが判断するかを選択することも可能です。

各パワーアンプの出力レベルメーターと各ユニットのインピーダンスログ

確実なセルフチェック機能

「Anya」全面のロゴ部分にはチェック用のマイクロフォンが内蔵されています。セルフチェックモード時には各ユニット個別にパルス音を再生し、それをマイクロフォンで集音してFFT測定を行い、トランスデューサーやパワーアンプに異常が無いかを確認します。また、動作ログの結果から「Anya」に異常が有り/無しと判断され、その状態で電源を切った場合はその情報は本体に保存されます。背面の”TEST”ボタンを押してLEDが緑に点灯した場合は「Anya」が正常に動作している証拠ですので、電源を入れてからの動作チェックを省略する事が可能です。

「Anya」の全てを司る「EAW Resolution 2」ソフトウェア

「Anya」のほとんどの制御は「EAW Resolution 2」ソフトウェアによって行われます。「EAW Resolution 2」による作業は、大きく分けて次のような手順になります。

1.会場の概略図の作成

平面のパーツを組み合わせて配置していき、会場の概略図を作成します。
Top、Side、3Dの3パターンの視点を切り替えることが可能です。
作成の際は、建築図面を参考にするか、実際にレーザー距離計で測定して正確な数値を入力することが重要です。

2.スピーカーの配置

「Anya」を実際に設置する予定の場所に配置します。
設置する本数や位置などは、ある程度ソフトウェアに任せることも可能です。

3.カリキュレーション

配置が決まったら、放射パターンの演算作業を行います。会場が広くて形状が複雑な程、またスピーカーの数が多い程、演算にかかる時間は長くなります。また、作業するPCのスペックが高い程演算時間は短くなります。

4.確認作業

演算の結果を踏まえ、アレイの配置や角度、音量などを修正します。シミュレーションの結果は周波数帯域を変更して表示することが可能です。サンプルの様に「Anya」アレイがステレオで配置されている場合、互いの干渉が発生しますのでアレイの振り角などを変更する必要があるかもしれません。
また、図面上に仮想の測定マイクを配置し、任意の位置の音響特性をシミュレートする事も可能です。また、床面のみの音圧以外に空間の音圧を表示する事も可能です。

5.実機にアップロード

ここまでの作業はPC上でオフラインでの作業が可能です。現場ではこのように作り上げたデータをPCより実機にアップロードし、「Anya」のセッティングが完了します。
実機とオンラインの状態でも、カバーエリアや音量を変更して再アップロードすれば、物理的には何も変わらない状態で、音響特性を変更することが可能です。
下の図は、スタジアム現場においてパラメーターの調整でカバーエリアを変更した例になります。